施工エリア:那珂川市南面里
施工日:2025年3月
趣深い瓦屋根と焼杉の佇まいを継承しつつ、大開口のサッシで内外の境界を曖昧に。中庭を囲むコの字型の構成を活かし、どの部屋からも四季の移ろいを感じられる、開放的な空間へと再生しました。
既存の柱を整理し、キッチンからリビングまで見通せる大空間を実現。木の質感を統一した造作テーブルが空間の主役です。生活動線を集約し、家事の最中も家族の気配を感じられる配置にこだわりました。
壁一面を有効活用し、TVボード、書棚、ワークスペースを一体で設計しました。素材感を統一して空間のノイズを削ぎ落とし、生活機能を一箇所に集約。リノベーションで叶えた、使い勝手と美しさが共存する暮らしの拠点です。
キッチンとリビングを繋ぐ開放的な動線を確保。壁一面の造作収納は、高さを揃えた水平ラインにより、実際の面積以上の奥行きを感じさせます。床材を貼り分け、大空間の中で緩やかにゾーンを定義しました。
深い木目に包まれた、森と繋がる書斎。既存の趣を活かしつつ、大開口から緑を大胆に取り込みました。低く抑えた本棚が視界を妨げず、室内にいながらアウトドア感覚で過ごせる、贅沢な一室です。
既存の土壁や天井をそのまま活かし、趣味に没頭できるアトリエを構築。楽器やギアが並ぶ空間に、温かみのある照明を合わせ、「籠もり感」と新旧が調和する落ち着きを演出しました。
書院造りの様式美を象徴する力強い床柱や墨絵の襖を保存。伝統的な空間にあえて洋風の家具を配し、格式はそのままに、現代の生活感性に馴染む、落ち着きある客間として再構成しました。
空間を有効活用するL字の広大なカウンターを造作。横長窓からの安定した採光が、朝の身支度を快適にします。収納部はあえてオープンにし、カゴを用いることで通気性と取り出しやすさを両立。家事効率と意匠を統合しました。
繊細な縦格子の引戸が主役の玄関。腰壁や欄間と素材感を統一し、建物の趣に馴染む端正な佇まいに整えました。植栽越しに灯る明かりが住まい手を優しく迎え入れる、品格ある「家の顔」としての意匠を追求しました。
既存の柱や梁を活かし、木部の再塗装と白壁の対比で端正な表情を創出。瓦の重厚感に負けない骨太な構造美を際立たせました。足元は黒の石畳で引き締め、伝統の趣の中に現代的な静謐さが漂う、風格ある構えに整えています。
既存の格天井や絞り丸太を活かした風格ある構え。三和土を広く取り、左手には利便性を考えオープンな靴棚を造作。正面に衝立を配し、プライバシーを確保しながら、奥へと続く動線に奥行きと期待感を与えています。
左)化粧垂木のリズムが奥行きを強調する広縁。既存の欄間や建具を残し、庭と居室を繋ぐ緩衝帯として再生。移動中も四季の光を感じられる豊かな動線計画です。
右)視線の先には、深緑を絵画のように切り取る開口部を確保。磨き上げた床に景色が映り込み、椅子に腰掛ければ森の中にいるような静寂を味わえます。
焼杉の黒壁に、新調した雨戸袋の木色が鮮やかなリズムを刻みます。中庭は単なる余白ではなく、キャンプも楽しめる「第二のリビング」として計画。森へと抜ける視線が、敷地全体に圧倒的な奥行きを与えています。
豊かな緑に佇むものの、経年による傷みと細切れの間取りで薄暗さが目立っていた改修前。しかし、瓦屋根の重厚感や既存の柱・建具には、新たな住まいへと継承すべき力強い素材の力が宿っていました。
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深い森に寄り添う、焼杉と瓦屋根の邸宅。その刻まれた歴史と重厚な骨格を敬意を持って継承し、現代の感性で再編集したリノベーションです。既存の「コの字型」配置を活かし、中庭を介して光と風、四季の彩りが巡る大らかな住まいを実現。土壁や格天井といった伝統的な意匠と、開放的なLDKや趣味のアトリエが違和感なく調和し、静寂と遊び心が共存する豊かな時間をデザインしました。